2004年 08月 12日
仮想現実 |
パソコンが立ち上がると早速メッセンジャーでメッセージが送られてきた。
"やぁ"
最近出入りしているチャットで知り合った友達からだ。
挨拶に続いてどこかのURLが送られてきた。
「何よこれ?」
"今一番熱いんです。"
「ふぅん・・・。」
よく見るとURLはいつものチャットサイトのURLのようだった。
そういえばチャットを初めて2ヶ月。
随分と知り合いが増えた気がする。本名も顔も知らない友達。
でも画面の向こうにはそれぞれ人がいて、それぞれの個性を持っている。
仮想現実だけどもう一つの現実世界。ハンドルネームの仮面を被ったもう一つの現実。
URLをクリックすると見慣れた色、文字、賑やかに彩られたログが目に飛び込んでくる。
いつものチャットサイトだった。
"マサ"という人と"さゆり"という人がかなり仲良さげに話をしていた。
「おうおう、お熱いねぇ。」
しばらく会話に見入るわたし。
悪趣味とは思いつつ、人の会話を覗き見するのはやめられない。
「そういえばこの前のコンパでさゆりがチャットで知り合った男と付き合ってるって言って
たっけ。この子のハンドルも"さゆり"・・・。まさかねぇ。」
ふと思い、さゆりの席に目を向ける。
そこにはいつものようにパソコンに向かい、熱心にシゴトをこなすさゆりの姿があった。
ただ、何故か彼女はうれしそうな顔をしていた。
「まさかねぇ・・・・・・・・・」
「出会ってないから<本当の愛>がある・・・。本当の愛ねぇ。よぉし、ちょっといじってみよ
うか。」
橋本君観察は後回しだ。
チャット画面の「入室」ボタンをクリック。
意識が指先からキーボードを通じてネットワークを駆け巡り、チャットルームの扉を開ける
のを感じる。
今からわたしはチャットの世界の住人だ。
"メグミルク>おはよーございまーす。智子です。ハンドル変えましたー。"
"やぁ"
最近出入りしているチャットで知り合った友達からだ。
挨拶に続いてどこかのURLが送られてきた。
「何よこれ?」
"今一番熱いんです。"
「ふぅん・・・。」
よく見るとURLはいつものチャットサイトのURLのようだった。
そういえばチャットを初めて2ヶ月。
随分と知り合いが増えた気がする。本名も顔も知らない友達。
でも画面の向こうにはそれぞれ人がいて、それぞれの個性を持っている。
仮想現実だけどもう一つの現実世界。ハンドルネームの仮面を被ったもう一つの現実。
URLをクリックすると見慣れた色、文字、賑やかに彩られたログが目に飛び込んでくる。
いつものチャットサイトだった。
"マサ"という人と"さゆり"という人がかなり仲良さげに話をしていた。
「おうおう、お熱いねぇ。」
しばらく会話に見入るわたし。
悪趣味とは思いつつ、人の会話を覗き見するのはやめられない。
「そういえばこの前のコンパでさゆりがチャットで知り合った男と付き合ってるって言って
たっけ。この子のハンドルも"さゆり"・・・。まさかねぇ。」
ふと思い、さゆりの席に目を向ける。
そこにはいつものようにパソコンに向かい、熱心にシゴトをこなすさゆりの姿があった。
ただ、何故か彼女はうれしそうな顔をしていた。
「まさかねぇ・・・・・・・・・」
「出会ってないから<本当の愛>がある・・・。本当の愛ねぇ。よぉし、ちょっといじってみよ
うか。」
橋本君観察は後回しだ。
チャット画面の「入室」ボタンをクリック。
意識が指先からキーボードを通じてネットワークを駆け巡り、チャットルームの扉を開ける
のを感じる。
今からわたしはチャットの世界の住人だ。
"メグミルク>おはよーございまーす。智子です。ハンドル変えましたー。"
by eight_door
| 2004-08-12 16:22
| にょもこ